田舎道を彷徨う 叶木~仁保
ち ~ ん ( 笑 )
叶木集落
山口県山口市下小鯖、叶木(かのぎ)と呼ばれる場所を目指して走りました。
防府に行く際に使っている国道262号線から県道27号線に入り、
ひたすら山の中を走って行くことで辿り着ける小さな集落です。
ネットの情報によると伝統的な茅葺屋根の家が数軒だけ残っているらしいとの事で見物に行くことにしました。しかし…
県道27号の入り口。ここからかなり勾配の急な道が続きます。
急流の横を走る狭く険しい道路。恐らく四輪のすれ違いは不可。
この峠道を抜けると後は割りかし綺麗な道が続いていて気持ち良い。
綺麗な27号線から脇道へ入ります。最近こんな道ばっか走ってんな。
着きました。田畑に囲まれた集落にポツポツと家が点在しています。
まさに田舎と言った風景でした。
とりあえず茅葺屋根の家を探す前に集落の外れにある河内神社にお参り。
元々は木製の鳥居があったとのことですが、片足しか残っていませんでした。
さて、お参りも済んだので本来の目的である
茅葺屋根を探そうとカメラ片手に集落内を彷徨いてみたのですが
古そうな家はそこらにあるものの、肝心の屋根は瓦やトタン。
どこか集落の外れの分かりにくい場所にあったりするのかな、などと思案に暮れていたところ、
ちょうどそこを通りかかった犬の散歩中のおじさんがいたのでこれ幸いと話を聞いてみることにしました。
おじさんによると「元々この辺りの家は全て茅葺だった」
「茅葺を維持できなくなったため瓦等に変えてしまった」
「数年前に最後の家も瓦になってしまったのでこの集落には一軒も残っていない」ということでした。
どうも僕が参考にしたサイトの情報が古すぎたようです。
まさか一軒も残っていないとは思いませんでした。バカじゃねえの。
仁保へ
目的を果たせなくなったからどうしたものかと悩んでいると、おじさんが親切にも
「仁保の方に一軒維持している民家を知っている」とおおよその場所を教えてくれました。
というわけで仁保へ向かうことに。叶木から仁保へ向かうには
叶木を出て県道197号線、国道376号線を辿って行くことになります。
途中一箇所左折が必要ですが、ほぼ一本道です。とても分かりやすいですね。
例によって例の如く
叶木から197号線に出る道が
クソだった点とミニパト兄貴に後ろに張り付かれた点を除けば順調に進むことが出来ました。
…ところが県道197号線が終わった地点でとんでもないミスを犯してしまいました。
まずはこの日僕が通ったルートを御覧ください。
思い切り左折を無視しています。通るべきだった道は上述の通り国道376号線です。
それを忘れて県道26号線へ突入。道を間違えたことに一切気付かずに10kmほど突っ走ることになりました。
県道26号線~334号線
26号線は山の中を通る割りにそこそこ綺麗な道路で、登り坂になっている部分以外は快適に走れました。
悪路じゃなかったのも自分のルート選択に疑いを持たなかった要因かも知れません。
道中ぽつんと佇むバス停を発見しました。
バスってなんだよ?(哲学)平日は1日3本、休日となると1日2本のみという恐ろしい路線バスでした。
果たしてこのバス停を利用する人はいるのでしょうか。非常に気になりますね。
道を間違えたことに気が付かないまま走り続けることしばらく、
冒頭にあった県道33-4号線との分かれ道に着きました。
334という文字が目に入ったために撮影しようと停止したのですが、
この標識の「徳地」という案内を見て初めて道を間違えていたことに気づきます。
これが無かったらどこまで進んでいたことやら。ありがとうタイガース。
334号線を抜けると仁保に至る道路と合流できることが確認できたので入ってみることに。
この道は26号線とは打って変わってガバガバ道でした。
道が狭い、カーブが多い、ガードレールが頻繁に途切れる、道に草が生えている、等々。
これが俗に言う険道という奴なのでしょうか。車では走りたくないですね。
大富小学校、帰郷庵
334号線を抜け、123号線を使って仁保へ向かおうとしたところ、面白い建物を見つけました。
旧山口市立大富小学校、廃校です。
情報によると開校は明治20年。廃校となったのは昭和40年。
開校当時からの建物かどうかは不明ですが、木造の校舎と言うのは実に趣があって良いと思います。
現在は公民館?として利用されているようで、
廃校となって以降もきちんと維持管理がされているようでした。
小さな校舎に小さな校庭、とても良い雰囲気でした。
校庭の隅にはこの地区出身の嘉村礒多と言う作家を記念する碑が立っていました。
学校を後にして仁保へ向かおうとしたところ、
道沿いにあった廃屋のトタン屋根の隙間から茅葺屋根と思しきものが覗いているのを発見。
気になって眺めていたところ、隣の倉庫で作業をしていたおじさんが声をかけてきました。
茅葺屋根の家を探している旨を伝えたところ、
先程の嘉村礒多なる作家の生家が茅葺屋根のまま残っていると教えてくれました。
道を聞いて早速向かってみたところ、334号線の終点からすぐそばの地点にありました。
築130年とのことですが、見たところとても綺麗に維持されていました。
それもそのはず、どうもこの家TDN民家ではなく
「古民家での生活を体験するための施設」として管理運営されている模様。
庭では数人のライダーおじさん達がバーベキューをしていました。
お邪魔しては悪いと思い写真を数枚撮って早々に退散しました。
念願の茅葺屋根を見ることが叶ったものの、民家ではなく施設として運営されている家だったのは少し残念な気持ちになりました。
茅葺屋根の維持と言うのはかなり大変だそうで、今となってはこういう方法を取らないと残していけないんでしょうかねえ。
まとめ
今回、叶木で期待していた茅葺屋根の集落を見ることが出来なかったのは残念でしたが、木造校舎や帰郷庵を発見することが出来たので良い思い出になりました。
また道を間違えてしまいましたが、真っ直ぐ仁保に向かっていたら今回の発見はなかったでしょうし結果オーライと言うことにしました。(反省の色なし)
時間が遅くなってしまったため叶木で教えてもらった仁保の民家を探すことは出来ませんでしたが、大体の場所は教えてもらっているので、次の機会に探しに行こうと思います。